外傷性てんかん
症状例:てんかん発作が生じる
外傷性てんかんは,次の表のとおり,5級2号から12級13号までの等級が認められます。
5級2号 | 1ヶ月に1回以上の発作があり,かつ,その発作が「意識障害の有無を問わず転倒する発作」又は「意識障害を呈し,状況にそぐわない行為を示す発作」(以下「転倒する発作等」という。)であるもの |
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7級4号 | 転倒する発作等が数ヶ月に1回以上あるもの又は転倒する発作等以外の発作が1ヶ月に1回以上あるもの |
9級10号 | 数ヶ月に1回以上の発作が転倒する発作等以外の発作であるもの又は服薬継続によりてんかん発作がほぼ完全に抑制されているもの |
12級13号 | 発作の発現はないが,脳波上に明らかにてんかん性棘波を認めるもの |
交通事故による外傷性てんかんの後遺障害
1 外傷性てんかんとその症状
交通事故の外傷がきっかけとなり,てんかん発作を発症してしまう場合もあります。
これを外傷性てんかんといいます。
脳の病変部を焦点として異常放電が起こり,それが脳全体に広がってけいれん発作を起こす事が多いとされています。
けいれん発作の他,身体を弓なりに反らせて体が硬くなったり,皮膚や粘膜が青紫色になったり,失禁したり,唾液の泡を吹いたり,意識を失ったりもします。
2 てんかんの症状がある場合の対応
医師に説明できるように,発作の日時,発作の症状,発作が起こる間隔などをメモにとどめておくとよいかと思います。
また,てんかんの症状が重度のものであると,高次脳機能障害を発症していることもあるため,性格の変化がないかも注意して見ておいてください。
治療をしてもてんかんの発作が改善されない場合,後遺障害として認められます。
3 外傷性てんかんと後遺障害
外傷性てんかんの後遺障害等級は,発作の頻度や症状(発作の型)によって後遺障害5級から12級となります。
後遺障害12級は,発作の症状はないが,脳波上に明らかにてんかん性棘波を認めるもの,後遺障害9級は,数か月に1回以上の発作が転倒する発作等以外の発作であるもの又は服薬継続によりてんかん発作がほぼ完全に抑制されているもの,後遺障害7級は転倒する発作等が数か月に1回以上あるもの又は転倒する発作等以外の発作が1か月に1回以上あるもの,後遺障害5級は1カ月に1回以上の発作があり,かつ,その発作が「意識障害の有無を問わず転倒する発作」又は「意識障害を呈し,状況にそぐわない行為を示す発作」であるもの,とされています。
月に2回以上の発作は,高次脳機能障害が疑われるため,症状を良く観察し,医師に相談するようにしてください。
きちんと後遺障害を認めてもらい,それに応じた適正な損害賠償を受けるために,医者に症状をきちんと伝え,診察をしてもらうことが大切です。
もちろん治癒することが一番ですが,治癒しない場合の後遺障害申請に備えて弁護士に相談しておくことも重要です。