京都で後遺障害で弁護士をお探しの方へ
1 京都で後遺障害にお悩みの方は当法人にご相談を
⑴ 利便性のよい場所に事務所があります
弁護士法人心 京都法律事務所は、京都駅から徒歩3分の場所にあります。
京都駅はJR、近鉄、市営地下鉄といった複数の路線が乗り入れており、京都市内だけでなく、宇治市や亀岡市などの周辺地域からもアクセスしていただきやすい駅かと思います。
足を運びやすい便利な場所に事務所を設けておりますので、京都で後遺障害にお悩みの方は、当事務所にご相談ください。
⑵ 後遺障害は電話相談にも対応
後遺障害は電話でのご相談も承っております。
弁護士事務所に出向くのは敷居が高いと感じている方や、後遺障害の症状がつらく来所が難しいという方は、電話相談をご利用ください。
ご自宅から弁護士に相談できるため、より気軽に相談を始めていただけるかと思います。
資料を見ながら相談したいという場合は、テレビ電話を使って対応させていただきます。
⑶ ご相談のお申込みについて
来所でのご相談も、電話相談も、フリーダイヤルまたはお問合せフォームからご相談のお申込みを承っております。
まずはお気軽にお問い合わせください。
2 後遺障害申請は弁護士にご相談ください
後遺障害の認定の有無や、認定された場合の等級数は、損害賠償額に大きく関係してくる部分となります。
そのため、十分な賠償を受けるためには、適切な後遺障害申請を行うことが重要です。
後遺障害の申請には、相手方の保険会社に任せる事前認定と、被害者自身で申請を行う被害者請求がありますが、提出書類等を自分自身で集めて提出することができる被害者請求の手続き方法で申請することをおすすめします。
とはいえ、お一人で全ての手続きを行うとなるとご負担も大きいかと思いますので、後遺障害は弁護士にご相談ください。
弁護士に依頼するメリットとして、後遺障害申請の負担を軽くできる点や、適切な賠償を受けられることが期待できる点があげられます。
3 後遺障害を弁護士に相談するタイミング
後遺障害申請をする段階で弁護士に相談する方や、相手方保険会社から示談案が提示されてから弁護士に相談する方など、相談するタイミングは人それぞれです。
いつ相談しようか迷っている方や、時間ができたら相談しようと相談を先送りにされている方もいらっしゃるかもしれませんが、交通事故の後遺障害を弁護士に相談するタイミングは、できる限り早めをおすすめします。
なぜかといいますと、適切な後遺障害認定を受けるためには、適切な時期に検査を受けていたり、カルテに適切な記載がされていることが大切なポイントとなるからです。
医師に誤解を与えないような症状の伝え方等、色々とアドバイスさせていただくことができますので、なるべく早いタイミングで弁護士にご相談ください。
4 後遺障害についてしっかりとした対応が可能です
弁護士法人心では分野ごとの担当制をとっておりますので、後遺障害のご相談の際には、交通事故案件に注力している弁護士が対応させていただきます。
交通事故を得意とする弁護士が、後遺障害申請サポートから示談交渉までしっかりと対応し、適切な後遺障害認定や損害賠償を受けられるように尽力いたします。
後遺障害のご相談なら当法人にお任せください。
後遺症と後遺障害の違いについて
1 後遺症と後遺障害
後遺症は、治療を続けても完治せずに症状が残ってしまうことやその症状をいいます。
一方、後遺障害は、交通事故によって発生した後遺症の症状のうち、一定の期間治療を継続しても症状が改善しないまま労働朗低下する一定以上の強さで残存することが見込まれる場合をいいます。
症状固定後に残存している後遺障害は、主治医に後遺障害診断書を作成してもらい、他の書類等と一緒に自動車賠償責任保険から損害保険料率算出機構に提出して審査をしてもらいます。
後遺障害が認定されると、等級に応じて傷害部分とは別に後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益が認められます。
2 後遺障害に対しての損害賠償金
自動車賠償責任保険の後遺障害等級は、1級から14級に分かれており、一番下の14級であっても労働能力が5%喪失するものとされています。
交通事故で後遺症が残っていたとしても、一定以上の症状でなければ後遺障害と認められず、後遺症が残っていたとしても、後遺障害慰謝料等の賠償は認められません。
後遺障害について賠償金を受け取ることができる後遺障害と認定されるか、症状が残っていても評価されない後遺症であるかで、賠償金は大きく異なります。
勿論、後遺症は残っているが後遺障害と認定されない程度まで回復したのであれば、傷害部分の慰謝料に含まれるものとして賠償は必要ありません。
しかし、本当は後遺障害が残っているにもかかわらず、後遺障害が認められないと、大変なことになってしまいます。
3 後遺障害の心配がある場合は弁護士に相談
後遺障害が認められためには、十分な治療期間や必要な検査、内容が十分に記載された後遺障害診断書など、様々な物が必要であり、症状の程度ではなく、他の事情で後遺障害と認定されないことがあります。
医師は、治療の専門家ですが、後遺障害を証明するために治療をしているわけではないので、被害者自身が気を付けていないと、後遺障害が残っていたとしても、後遺障害として証明できないことで後遺障害認定を受けられないことがあります。
交通事故に遭った方で、後遺障害の可能性がある場合には、当法人にお早めにご相談ください。
後遺障害申請の際に気を付けるべきこと
1 症状固定
交通事故にあった方の治療を継続しても治療効果が期待できなくなったと主治医が判断したときは症状固定になります。
治療を継続しても効果が見込めない症状固定の段階になっても重い症状が残っていれば、後遺障害診断書を作成してもらって後遺障害申請をすることになります。
症状固定までには、改善が見込めない程度に治療をしていなければなりませんので、まだ改善が見込まれる短期間しか治療していないのに治療を止めてしまって症状が残っていても、後遺障害とは認められません。
短期間で治療が必要なくなり症状固定をしているようなケガでは、長期的に症状が残って労働にも支障をきたす後遺障害とは認められないのです。
2 保険会社の打ち切り
ところが、まだ十分な治療をしていないにもかかわらず、保険会社から症状固定なので後遺障害診断書を書いてもらってくださいと言われることがあります。
保険会社が治療途中で、医師が症状固定とは考えていないのに、治療費の負担を打ち切ってくるのです。
よく分からないまま保険会社の言うとおりに打ち切られた日を症状固定日として医師に後遺障害診断書を書いてもらってしまう方がいらっしゃいますが、医師が短期間の治療で十分と考える程度のケガと思われてしまうことがあります。
短期間で治療が終わったようなケガでは、いくらその時の症状が重いと書いて後遺障害の申請をしても非該当になって後遺障害が認められなくなってしまいます。
特に、ムチウチなど他覚所見がない場合には、治療や投薬の内容や頻度、通院の期間や頻度なども一貫した痛みを証明するために重要になりますので、一定期間しっかりと通院してきちんと治療をしていないと、後遺障害が認定されません。
症状固定の際には、保険会社の言動や打ち切りに左右されることなく、きちんと医師に症状固定の判断をしてもらう必要があります。
3 後遺障害診断書
交通事故のケガが症状固定になると、主治医に後遺障害診断書を書いてもらうことになります。
後遺障害等級認定は、基本的には書面審査ですので、後遺障害診断書に書いていないことは、そもそも審査の対象になりません。
また、自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書という定型の書式を病院に持っていき、主治医に必要な検査等をしてもらって、残存している症状や検査結果等を、後遺障害診断書等に記入してもらいます。
後遺障害の内容によっては、更に別の書面を作ってもらう必要があることもあります。
後遺障害診断書にはきちんと必要な内容をすべて書いてもらう他にも、誤解を招きそうな表現をされないように気を付ける必要があります。
4 資料収集
後遺障害申請をするためには、最低限、病院の診断書や診療報酬明細書、接骨院の施術明細書などの治療関係の資料が必要になります。
保険会社から取り寄せたり、場合によっては病院にお願いして作成してもらうことになります。
病院で撮ったレントゲンやMRI画像なども必要になりますので、借りたり、写しを作ってもらったりします。
その他にも、関係する資料をつけることができますので、検査結果資料や画像などの後遺障害認定に有利になりそうな資料を自分で探して集めることもできます。
5 気を付けるべきこと
その他にも、後遺障害が疑われる部位などによって、気を付けるべきことや受けておいた方がよい検査などもあります。
後遺障害申請の可能性がある方は、きちんと弁護士に相談して気を付けるべきことのアドバイスを受けておいてください。
後遺障害の等級認定における当法人の強みについて
1 後遺障害等級認定とは
交通事故の症状が症状固定となって改善の見込みがなくなると、主治医に後遺障害診断書の作成をお願いして、後遺障害等級認定を受けることになります。
後遺障害等級認定は、加害者が加入していた自賠責保険会社を通じて、損害保険料率算出機構に書類等を提出し、それをもとに損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)が、等級を認定するかどうか、認定する場合にはどの等級に該当するかを調査します。
では、後遺障害等級認定における当法人の強みとはどのようなものでしょうか。
2 後遺障害チームのサポート
当法人では、後遺障害に詳しい弁護士とともに、後遺障害専門のチームが後遺障害申請や異議申立のサポートを行っております。
損害保険料率算出機構が後遺障害認定をする際には、非公開の内部基準に従って審査をされています。当法人では、これまで徹底的に内部基準について調査、研究をして、内部基準を満たさない後遺障害申請とならないように適切なタイミングで検査をするなどのサポートを行っています。
後遺障害など交通事故被害者の患者様理解のある医師とも連携して、情報交換などもすすめています。
3 損害保険料率算出機構の元職員のバックアップサポート
当法人の後遺障害のチームには、何年も後遺障害等級認定を行って専門的な知識や経験が豊富な損害保険料率算出機構の元職員が所属しており、後遺障害等級認定をサポートしていますので、安心して認定申請や異議申し立てをすることができます。
特に、難易度の高い案件や異議申立案件を中心に行い、後遺障害等級認定担当者の教育指導まで行っていた元職員もおり、高次脳機能障害や遷延性意識障害などの難易度の高い事案についても安心してご相談いただけます。
4 後遺障害等級認定は当法人にお任せください
後遺障害等級認定については、以上のような強みがございますので、後遺障害等級認定についてお悩みの方は、当法人までご相談ください。
当法人が全力でサポートさせていただきます。
後遺障害に関して弁護士に依頼する場合の費用について
1 被害者請求と事前認定
自賠責保険へ後遺障害申請を行うルートには、被害者請求と事前認定があります。
⑴ 被害者請求で申請する場合
後遺障害申請を弁護士に依頼する場合には、通常は、被害者請求という形で行うことが多いです。
被害者請求では、被害者側で必要な書類を集めた後に後遺障害診断書とともに被害者側で自賠責保険会社を通じて損害保険料率算出機構に提出します。
⑵ 事前認定で申請する場合
他方で、事前認定では、後遺障害診断書を相手の任意保険会社に渡せば、相手の任意保険会社が必要書類を集めて自賠責保険会社を通じて損害保険料率算出機構に書類が提出されます。
検査時の画像などの最低限の資料は、相手の保険会社が費用を払って集めるので費用は節約できますが、有利な資料を探して提出してくれることはありません。
⑶ 被害者請求のメリット
後遺障害認定は、原則として書面審査です。
そのため、認定に有利に働く書類等は積極的に集めて提出する必要があります。
弁護士に依頼して被害請求をする場合には、弁護士が必要書類以外の書類でも何か認定に役に立ちそうな書類や検査結果等の資料があれば、提出することができます。
必要書類の収集や追加する書類の選別は被害者本人には困難なことも多いため、被害者請求を弁護士に依頼することは非常にメリットがあります。
2 弁護士費用と弁護士費用特約
⑴ 弁護士費用特約とは
交通事故の被害者が、弁護士費用特約に加入している場合には、事故の件を相談した時の相談料や、依頼した時の着手金や報酬金、実費など、弁護士費用をご加入の保険会社が支払ってくれることになります。
⑵ 経済的メリットの有無
後遺障害認定が確実に見込める場合には、弁護士費用を自己負担したとしても依頼する経済的メリットがあるか心配がいらない方もいらっしゃいます。
しかし、そうではない場合は、弁護士費用としてある程度の費用を確実に支払うとなると、経済的にメリットがあるかどうかがはっきりしないことが多いです。
経済的メリットがあるかはっきりとしないうちに弁護士に依頼するかどうかの判断に迷う方もいるかと思います。
また、本人が依頼しようと思っても、弁護士を依頼するには費用対効果が合わず依頼することで経済的に不利益となる可能性が高い場合には、弁護士としてご依頼を受けられない場合もあります。
⑶ 弁護士費用特約で経済的メリットへの不安を解消できます
弁護士費用特約は、被害者が加入している保険会社が、一定の弁護士費用を負担してくれますので、経済的メリットの有無への不安なく必要と感じた時にすぐに安心して弁護士に依頼することができます。
当法人では、なるべく被害者の方のご負担が減るように、弁護士費用特約のご使用をお勧めしております。
3 当法人の弁護士費用
弁護士費用は自由化していますので、最近は初回相談料が無料の場合や、着手金はいただかず報酬金と実費だけなど、様々な料金体系があります。
当法人では、交通事故被害者の方にご相談いただきやすいように交通事故の相談料は原則無料です。
また、弁護士費用特約が使用できない方は、損害賠償請求の場合には、着手金はいただかずに報酬金として19万8000円と獲得金額の8.8%をいただく報酬体系にしており、着手金が準備できずに後遺障害申請から依頼ができない被害者を減らすようにしております。
勿論、当法人でも、事案によっては着手金や預り金をいただかないとご依頼できない場合はございます。
詳しい弁護士費用については、ご相談を伺ってみないと確定できませんので、まずは、お気軽に弁護士法人心 京都法律事務所までご相談ください。
ご相談の際に交通事故を担当している弁護士からきちんと費用について説明をさせていただきます。
後遺障害を得意とする弁護士の選び方について
1 後遺障害等級認定
交通事故にあいケガをした場合、医療機関で治療を受けることになりが、治療の効果が期待できなくなり、症状が完治せずに残ると症状固定となります。
症状固定になると、治療による症状の改善効果が認められなくなるため、治療費が加害者から賠償されなくなり原則自己負担となり、休業損害も賠償されなくなります。
症状固定後に残存する症状によって被る損害については、残存症状について損害保険料率算出機構に審査してもらい、残存症状について後遺障害等級認定がされれば、認定された等級に応じて賠償を受けることができます。
残存症状について後遺障害等級認定がされるかどうかで賠償金額は大きく変わるため、後遺障害を得意とする弁護士を選んで依頼し、適切な後遺障害等級認定を得ることが適切な賠償を受ける上で重要なこととなります。
2 通院中の適切なアドバイス
後遺障害認定を適切に受けるためには、病院へきちんと定期的に必要な回数の通院をし、時期に応じて必要な検査を受け、最終的には必要な事項を医師に後遺障害診断書に記載してもらう必要があります。
後遺障害等級認定で等級認定を受けるためには、後遺障害に詳しい弁護士に早めに相談して、通院開始直後からきちんとした準備をする必要があります。
事故にあったらすぐに弁護士に相談をし、多忙で通院を怠った際のデメリットや症状が疑われる場合にやっておくべき検査など通院や後遺障害に関するアドバイスがきちんとできる弁護士を探してください。
後遺障害を得意とする弁護士であればきちんと対応できます。
3 後遺障害申請の際の適切なアドバイス
後遺障害診断書は、後遺障害認定を受ける際の重要な書類です。
自賠責保険での後遺障害の審査は書面審査ですので、後遺障害診断書の内容をきちんとチェックして、本人の自覚症状や検査結果等に書き忘れがないかなどを確認する必要があります。
また、後遺障害申請の際には、必要な書類の他に有用な書類を追加して提出することも可能ですので、後遺障害診断書や取得できそうな書類についてきちんと内容を聞き取って提案をする弁護士を探して選んでください。
4 後遺障害の異議申立
後遺障害申請をしても後遺障害等級が認定されなかった場合や、思っていた等級よりも低い等級が認定された場合には、異議申立をすることができます。
後遺障害認定結果の内容を検討した弁護士に、異議申立の見通しや異議申立手続きの流れの説明を聞くことで、その弁護士が後遺障害を得意としているかを見分けることができます。
きちんとした説明ができる弁護士を選んでください。
5 まとめ
後遺障害等級認定についての知識や実績のある弁護士に依頼することで適切な後遺障害等級認定を得られる可能性が高くなります必。
後遺障害で弁護士をお探しの方は、実際に通院方法や後遺障害について弁護士と相談し、適切なアドバイスをできる弁護士をお選びいただくと良いと思います。
当法人では、交通事故被害者の方からの相談は原則無料となっておりますので、ぜひ、当法人にもご相談ください。
交通事故を多く取り扱っている弁護士が相談に乗らせていただき通院方法などに関するアドバイスなどをさせていただきます。
後遺障害の申請を弁護士に相談するタイミングについて
1 事故にあった直後
⑴ 弁護士への相談は早い方が良い
交通事故の後遺障害について弁護士に相談するタイミングとしては、事故にあった直後が一番良いタイミングです。
交通事故にあった場合に弁護士へ相談するのは早ければ早いほどいいと考えられます。
なぜなら、必要なタイミングで検査を受けておかなければ、後遺障害が残存してしまった原因が不明確になってしまったり、適切な通院をしていなかったために残存した後遺障害について適切な評価を受けられなかったりすることもあるため、早いタイミングで相談することで、「そんなこと知らなかった」と後悔することを防げるためです。
すぐに弁護士に依頼するつもりはなくても、早いタイミングで弁護士に相談し、病院への通院方法や医師とのやり取り、必要な検査を確認するタイミング等、被害者にとって一番良い方法のアドバイスを受け、正しい知識を身に着けておくことは、万が一後遺障害が残ってしまったときの備えとしては重要です。
⑵ 医師に任せきりではダメ
治療のことは医師に任せておけば良いと考えている方も多いですが、その考えには注意が必要です。
医師は治療の専門家であり、賠償の専門家ではありませんので、後遺障害の認定などには原因の特定が必要であったとしても、治療上必要がなければ、詳しく検査をしてまで確定診断をしないこともあります。
しかし、後遺障害が認定されるためには、事故が原因でどのような経過をたどって後遺障害が発生したのかを証明しなければならず、きちんと検査などをして原因を追究していなければ証明ができずに後々不利になってしまう可能性があります。
2 治療について症状固定の話が出たとき
次に相談するタイミングの目安として、医師や保険会社より症状固定と言われたときです。
症状固定になると、医師に後遺障害診断書を作成してもらうことになります。
保険会社が症状固定を促すタイミングは、医師の判断よりも早いことが多く、保険会社に言われるままに後遺障害診断書の作成を依頼すると、十分な治療を受けていないとして後遺障害が認定されない可能性があります。
場合によっては、保険会社から治療費を打ち切られた後も自費で治療を続け、その後症状固定と医師に診断されてから後遺障害診断書を作成することもあります。
また、後遺障害が認定されるためには、後遺障害診断書に一定の内容や検査など様々な記載が必要になってきます。
症状固定前に弁護士に相談すれば、医師に対する自覚症状の伝え方、しておくべき検査等、弁護士が専門的な知識や経験をもとにアドバイスいたします。
3 さいごに
後遺障害について相談するタイミングの目安を紹介しましたが、それ以外にも、治療中に疑問を感じた等、少しでも気になる点があればお気軽に弁護士法人心 京都事務所までご相談ください。
交通事故を集中的に取り扱っている弁護士が相談に乗らせていただきます。
弁護士費用の心配をされる方もいらっしゃると思いますが、交通事故被害者の方からご相談いただきやすいように弁護士法人心では、交通事故の相談は、原則無料となっておりますので、ご安心ください。
また、ご加入の保険会社に弁護士費用特約がついているものであれば、ご依頼頂く際も弁護士費用特約の範囲内であれば被害者の負担は発生しません。
適切な後遺障害の賠償を得るために大切なこと
1 後遺障害等級の獲得
交通事故に遭い、後遺障害が残った場合は、適切な後遺障害等級の認定を受けられることが極めて重要です。
というのは、自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」)施行令が定める後遺障害等級は、第1級から第14級までの等級に分類されていますが、後遺障害の賠償は、原則として、等級に応じて算定される仕組みになっているからです。
具体的には、後遺障害が認定された場合には、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益を請求することができます。
そして、後遺障害慰謝料は、後遺障害等級ごとに金額の目安が定められています。
赤い本では、最も軽い14級で110万円、最も重い1級では2800万円とされています。
また、後遺障害逸失利益は、後遺障害がなければ将来働いて得られたはずである分の賠償を求めるものですが、基礎収入×労働能力喪失期間のライプニッツ係数(中間利息を控除した係数)×労働能力喪失率で計算されます。
ここでいう労働能力喪失率は、後遺障害等級ごとに目安が定められています。
自賠責保険の労働能力喪失率表では、最も軽い14級で労働能力喪失率5%、1級から3級で100%と定められています。
このように、症状が残った場合には、後遺障害の認定が受けられたか、認定が受けられたとして何級が認定されたのかによって賠償金額が大きく変わってきますので、適切な後遺障害等級の認定が受けられることが極めて重要です。
2 適切な賠償金交渉
後遺障害等級認定で、適切な後遺障害等級が認定されたら、今度はその等級を踏まえて、適切な賠償金額となるよう、交渉しなければなりません。
というのは、相手保険会社から提示された金額は低額であることが多いので、相手方保険会社から提示された金額で示談してしまうと損をしてしまうことが多いのです。
具体的に保険会社がどのように低額な提示をしてくるのかというと、例えば、後遺障害慰謝料及び後遺障害逸失利益を合わせて自賠責保険からの支払い分(14級であれば75万円、別表第1の1級であれば4000万円)しか支払わない、等です。
上記の自賠責保険からの支払金額は、後遺障害逸失利益と後遺障害慰謝料を合わせての最低限度の支払いなので、不十分です。
また、後遺障害逸失利益であれば、自賠責保険の労働能力喪失率表において、認定された等級よりも低い等級の労働能力喪失率で算定される、労働能力喪失期間を不当に短い期間で算定される、等です。
被害者は、通常、損害賠償に関しては素人であり、適正な金額が分からなければ保険会社からの提示通りで示談してしまうこともあります。
しかし、将来的な治療費や労働能力の低下から考えると、適正な金額の賠償がなければ後に治療ができなかったり、生活が苦しくなったりします。
交通事故で後遺障害が認定され、相手方と示談する際には、自分だけの判断で示談せず、交通事故に強い弁護士に相談するなどして適正な金額での提案かをきちんと確認してから示談をしてください。
また、保険会社から提示された金額が適切な金額でなければ、適切な金額になるまで弁護士に依頼して交渉をし、必要があれば裁判等の手続をとらなければなりません。
弁護士法人心 京都法律事務所では、示談金チェックは無料で行っておりますので、是非ご活用のうえ適正な賠償を受けてください。
失業していた場合の逸失利益
1 後遺障害逸失利益
交通事故に遭い、後遺障害が残ると、将来にわたり労働能力の低下が継続することが考えられます。
その労働能力の低下による事故に遭わなければ働いて得られたはずの収入分の減少は、交通事故による損害と言えます。
これは、後遺障害逸失利益と呼ばれる損害項目です。
後遺障害逸失利益は、基本的には、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係で算定します。
基礎収入額は、原則として、事故前の現実収入額とし、現実収入額以上の収入を将来得られると認められれば、その金額を算定基礎とします。
それでは、交通事故にあったときに、失業中であったり、求職中であるなど、無職の場合には、後遺障害逸失利益算定の基礎となる収入がないこととなり、逸失利益は認められないことになるのでしょうか。
2 失業者の逸失利益
失業者の場合、交通事故にあった時点で収入がないからと言って、その後も生涯にわたり働かないと考えることは不合理です。
通常は、事故当時は失業していても、将来的には就労の機会を得られる蓋然性が高いため、原則としては、失業者でも逸失利益は肯定されます。
ただし、高齢であったり、不労所得が十分にあったりするなどして、就労意欲や就労可能性がないなど、今後も稼働による収入獲得があまり想定できないような場合には、将来得るべき収入の減少は考えられないため、後遺障害逸失利益は否定されます。
もっとも、過去の裁判例を見ると、定年退職をしたものであっても、扶養しなければならない家族の有無や、事故当時の健康状態、年金収入の金額等を参考に逸失利益を肯定するなど、かなり個別具体的な事情に応じた判断がなされています。
3 失業者の基礎収入額
失業者の基礎収入額の認定にあたっては、失業前の収入実績、賃金センサスの平均賃金額を参照して、金額を認定することになります。
失業前の収入が、同年代の労働者の平均賃金額に達していれば、将来にも同程度の賃金を得られる可能性が高いと言えることが多いため、通常は賃金センサスの平均賃金を基礎とすることになります。
そうでない場合には、これまでの収入実績、年齢、経歴、取得している資格・技能などから適切な金額を認定することになります。
4 適正な損害賠償を受けるために
上記のように、事故に遭った時点で失業中であったとしても、後遺障害逸失利益は原則として認められるべきです。
しかしながら、加害者側保険会社は、「失業者は事故前の稼働実績がないから後遺障害逸失利益は認められない」などと主張して逸失利益を否定したり、不当に安い基礎収入額で逸失利益の算定をしたりする場合があります。
このような場合は、弁護士を入れ、事故前の収入実績や就労可能性等を主張・立証するなどして交渉しなければ、適正な損害賠償を受けることができません。
京都で失業中に交通事故にあわれ、後遺障害が残ってしまった方は、弁護士法人心 京都法律事務所にご相談ください。
遷延性意識障害
1 遷延性意識障害の後遺障害等級
遷延性意識障害とは、日本脳神経外科学会による定義によれば、①自力移動が不可能であり、②自力摂食が不可能であり、③糞・尿失禁状態にあり、④声を出しても意味のある発語が全く不可能であり、⑤簡単な命令(「目を見て」「手を握って」等)には辛うじて応じることもあるが、ほとんど意思疎通は不可能であり、⑥眼球は動いていても対象を認識することはできない、以上のような状態が3か月以上続いた場合を指す、とされています。
交通事故にあい、上記のような遷延性意識障害となった被害者は、身体障害者手帳が交付され、日常の介護には定期的に痰を吸引する、食事は経管で栄養を摂取する、数時間おきの体位交換も必要になりますので、常時他人による介護や看護が必要となります。
遷延性意識障害は、一般的に後遺障害別等級表の別表第1の介護を要する後遺障害のうち「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」として第1級1号が認定されています。遷延性意識障害の労働能力喪失率は100%です。
このような遷延性意識障害は、交通事故の後遺障害の中でも特に重い後遺障害です。
2 遷延性意識障害の損害賠償
遷延性意識障害の場合は、代表的な損害賠償の項目には、次のようなものがあります。
⑴ 介護費用
現在の介護費用に加えて将来の介護費用が必要になります。
親族が介護する場合、職業介護人による介護を受ける場合、親族が介護できる間は親族が介護し将来的に介護施設に入所する場合等、様々な場合が考えられ、それに応じて賠償内容も変わります。
⑵ 家屋改造費用等
車いすや移動式ベッドが必要になることが多いので、それに適した構造に住居を改造する必要がある場合があります。
このような家屋改造費用も認められます。
⑶ 後遺障害逸失利益
事故に遭わなければ、働くことができ、得られるはずであった収入分の賠償が認められます。
後遺障害等級1級の労働能力喪失率は100%ですので、事故当時の収入×100%×労働能力喪失期間をベースとした賠償額になります(中間利息分は控除されます)。
そして、後遺障害等級1級の場合は、賠償額が高額になることが多いため、保険会社は、生存可能年数を限定すべきなどと主張して、賠償金額が少なくなるように争ってくることもあります。
きちんとした損害賠償を受けて被害者の方が今後の生活にできるだけ困らないようにするためには、弁護士に相談するなどして適切な損害賠償を受ける必要があります。
3 成年後見
遷延性意識障害が残ってしまった場合、被害者が自分で意思疎通をすることができませんので、被害者本人に代わって、被害者本人のために様々な契約や手続きを行う成年後見人をつける必要があります。
交通事故の損害賠償について、弁護士に依頼する前提としても、成年後見人が必要になります。
成年後見人の選任手続は、選任の必要がある時に配偶者や4親等内の親族等の一定の身分関係のある人が家庭裁判所に申し立てることで手続が開始されます。
裁判所で成年後見の必要があると認められて成年後見人が選任されると、交通事故の損害賠償請求や日常生活における様々な契約の代理も成年後見人がおこなうことになります。
また、遷延性意識障害に至らない場合でも、意思能力や判断能力が低下している場合には、必要な手続とる必要があることもあります。
交通事故で重大なケガをされたり、重い後遺障害を負われた場合には、お早めに弁護士にご相談ください。
むちうちで後遺障害が残った場合の等級
1 むちうちの後遺障害等級
交通事故に遭い、治療をしたのに症状が残ってしまった場合、後遺障害が認定されることがあります。
後遺障害は、自賠責保険の後遺障害等級認定表に従い、1級から14級の等級の中で、該当する等級が認定されます。
障害の内容によって認定される等級が異なります。
むちうち(頸椎捻挫や腰椎捻挫等)で治療をしても症状が残ってしまい、症状固定となった場合も、後遺障害が認められる場合があります。
その等級は、
14級9号「局部に神経症状を残すもの」
12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」
の二つの等級があり得ます。
ただ、14級と12級とでは、賠償金額に大きな差があります。
14級9号と12級13号では、認定される場合はどのように違うのでしょうか?
2 12級13号の場合
14級9号と12級13号では、自賠責保険が認定する際の基準の文言としては、「頑固な」という文言の違いだけです。
これだけでは、12級と14級の違いが直ちには判らないのですが、12級にいう「頑固な」神経症状とは、むちうちで残存する神経症状が画像等の他覚的所見により証明できる場合です。
画像所見(MRIやCT等)や各種の検査結果により事故に起因する器質的な異常が認められ、それにより神経症状が発生したことが証明できた場合には、12級13号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」として認定されます。
痛みやしびれ等神経症状が残存していると本人が訴えても、その原因が画像等の他覚所見の裏付けにより証明されないと認められません。
そこで、適切な時期に適切な画像等の検査を受けておかないと、後遺障害等級第12級13号として認定されないのです。
3 14級9号
一方、14級9号は、12級13号とは異なり、神経症状が他覚的な所見により証明されることまでは求められません。
14級9号は、発生した自覚症状について医学的に説明がつくものであればよい、とされています。
ここでいう医学的に説明つく場合か否かは、事故状況とそれを裏付ける車両等の損傷、傷病名、被害者の年齢、通院の実績や症状の連続性・一貫性などを総合的に判断して決められます。
例えば、車の損傷状況が軽微で傷がほとんどわからないとか、修理費用が非常に安価であったり、修理しないまま使用を続けている程度の損傷の場合などには、事故の衝撃も小さかったと判断されて、後遺障害が認められにくいです。
また、あまり通院の回数が少なかったり、間隔があまりに空いてしまっていたり、通院していても通院頻度が不規則だったりするなど不自然な場合には、不利に判断されることがあります。
自賠責調査事務所は、痛ければどんな状況でも通院するだろうと考えているため、忙しいから通院しなかったというのは原則として通用しません。
また、一貫して同じ部位や症状を訴えているかという症状の一貫性も重要です。
痛みの部位が途中で変わっていたり、診察のたびに変わっていたりすると、症状の一貫性がなく、後遺障害は認められにくくなります。
なるべく早く弁護士に相談して、きちんと通院等についてアドバイスを受けておくことで、間違った通院方法をとらないようにすべきです。
京都で交通事故によりむちうちになった場合には、お早めに弁護士法人心 京都法律事務所にご相談ください。
きちんとしたアドバイスを早めに受けることで、万一後遺障害が残った場合でもきちんとした認定を受ける可能性が高まります。
後遺障害を負った方が事故と無関係の原因で死亡した場合の逸失利益
1 労働能力喪失期間の考え方
交通事故で後遺障害を負った方は、後遺障害逸失利益の支払いを受けることができます。
後遺障害逸失利益は、事故当時の収入を基礎収入とし、労働能力喪失率、労働能力喪失期間(中間利息が控除されます)を乗じて算定されます。
そして、重い後遺障害等級であれば、一生涯にわたり労働が不可能(労働能力喪失率100%)とされることもあり、後遺障害逸失利益は高額になります
ここで、交通事故の被害者の方が、示談交渉中、あるいは裁判の途中で、事故とは無関係の原因で亡くなってしまった場合、後遺障害逸失利益の算定にあたり、労働能力喪失期間はどのように考えればよいのでしょうか?
事故とは無関係の原因で亡くなってしまったので、「事故により生涯にわたり労働ができなくなった」という事実はないことになるとも思えます。
そうだとすると、労働能力喪失期間は、死亡までの期間分しか認められないのでしょうか?
これに関しては、最高裁判所が判例を出しております。
最高裁は、交通事故で後遺障害を負った被害者が事故とは無関係な原因でその後に死亡したとしても、交通事故の時点で、その死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来における死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情がない限り、死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきでない、と判示しました(最判平8.4.25)。
そして、最高裁判所は、その理由については、労働能力の一部喪失による損害は、交通事故の時に一定の内容のものとして発生しているのであるから、交通事故の後に生じた事情によってその内容に消長を来すものではなく、その逸失利益の額は、交通事故当時における被害者の年齢、職業、健康状態等の個別要素と平均的稼働年数、平均余命等に関する統計資料から導かれる就労可能期間に基づいて算定すべきものであって、交通事故の後に被害者が死亡したことは、前記の特段の事事情のない限り、就労可能期間の認定にあたって考慮すべきものとは言えないから、と述べています。
難解な言い回しですが、要するに、交通事故が発生した時点で、その被害者に発生した損害の内容はもう決まっている、それが、その後に事故とは無関係に起こった事情により変動するのもではない、ということです。
ここでは、交通事故の被害者が事故後に偶然起こった別の原因で加害者が賠償義務を免れ、被害者やその家族が不当に賠償を受けられなくなるのは公平ではない、という考え方が根底にあります。
2 死亡が予測される特段の事情
では、上記の最高裁判所の判例が示す、交通事故の時点で、その死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来における死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情とはどのような事情でしょうか。
例えば、事故にあう前から既に重病にかかって余命宣告がされており、後遺障害認定後、その病気が原因で死亡したことが医師の診断上からも明らかな場合です。
このような場合には、余命宣告や実際の死亡時を参考にして就労可能期間を認定する必要がでてくると考えられます。
交通事故の被害者が、後遺障害認定後に事故とは無関係の理由で死亡した場合には、このような特段の事情があるのかについて、詳細な検討の必要があります。
3 弁護士へのご相談
後遺障害の賠償金について気になることがある場合には、お早めに弁護士法人心 京都法律事務所にご相談ください。
適正な賠償を得るためには、弁護士に相談することが大切です。
脊柱の変形障害でお悩みの方へ
1 脊柱の変形障害の等級認定
脊柱の障害は変形障害と運動障害に分けられます。
脊柱の変形障害は、その変形の程度に応じて後遺障害等級認定がなされており、以下の3段階で認定されています。
① 脊柱に著しい変形を残すもの 6級
② 脊柱に中程度の変形を残すもの 8級
③ 脊柱に変形を残すもの 11級
このうち、第6級と第8級は、脊柱の後彎の程度とコブ法による側彎の程度により認定され、これらに達していない変形で一定の要件を満たすものが第11級に認定されます。
また、第8級は自賠責保険の等級表に明記されておりませんが、障害認定実務上認められているものになります。
8級は、脊柱の後彎、コブ法による側彎度、環椎(第1頸椎)または軸椎(第2頸椎)の変形・固定には、回旋位又は屈曲又は屈曲・進展位の角度を測定する等、個別の要件のもとに認定されます。
このように、脊柱の変形障害に該当するかの判断は複雑です。
脊柱の圧迫骨折や脱臼などの脊柱の変形を伴うような障害が残る可能性がある場合には、早めに弁護士に相談し、ポイントを押さえた後遺障害の申請をする必要があります。
2 脊柱の圧迫骨折や脱臼の証明
脊柱の変形障害等を後遺障害として認めてもらうためには、客観的な画像所見が必要です。
具体的には、レントゲン、CT、MRIなどで、画像上圧迫骨折や脱臼を確認できることが必要です。
特に6級に該当するためには、6級が認定される程度の著しい変形であることが画像により確認できなければなりませんので、撮影された画像の精度によって結論が変わる場合も無くはありません。
また、各脊椎の横突起や棘突起の局部的な欠損や変形では後遺障害認定の対象にならない等の例外的な場合もあるため、ある程度正確な画像を提出する必要もあります。
3 脊柱の運動障害
自賠責保険において、脊柱運動障害の後遺障害等級は、次の二つです。
① 脊柱に著しい運動障害を残すもの 6級
② 脊柱に運動障害を残すもの 8級
上記のうち、①は頸部及び胸腰部が強直したものが該当します。
②は頸部または胸腰部のいずれかの可動域が参考可動域角度の1/2以下に制限されたもの等が該当します。
もっとも、上記の運動障害は、自覚症状(本人の訴え)のみでは認定されることはありません。
画像上、圧迫骨折が確認できる等の他覚所見があることが必要です。
4 脊柱の障害が発生した可能性がある場合には弁護士にご相談ください
脊柱の後遺障害については認定要件が非常に複雑であり、交通事故の、しかも後遺障害申請に精通した弁護士に依頼しなければ適切な後遺障害等級を得られない可能性があります。
また、既に等級が認定されているのであれば、その等級が正しいのかを適切に判断することが難しい場合があります。
脊柱の障害が発生した方は後遺障害に精通した弁護士にご相談ください。
当法人では、後遺障害の専門知識が豊富な弁護士とスタッフがチームを作って後遺障害申請に対応いたします。
京都で脊柱の変形障害でお悩みの方は、弁護士法人心 京都法律事務所へご相談ください。
交通事故の逸失利益の定期金賠償
1 後遺障害逸失利益の賠償
交通事故に遭い、後遺障害が残った場合、後遺障害の程度に応じて、将来に亘り、労働能力が低下します。
このことに対して、事故に遭わなければ将来得られたであろう収入分を損害として請求するのが、後遺障害逸失利益です。
この後遺障害逸失利益は、従来、一時金賠償が基本的な賠償方式でした。
一時金賠償は、将来の分も含めて示談時、あるいは判決時に一括で支払う方式です。
これに対し、近時の最高裁判例で、一定の場合には、毎年、ないし毎月、分割で定期的に賠償金を受け取る定期金賠償方式が認められました(最判令2年7月9日)。
2 定期金賠償方式のメリット
一時金賠償方式での損害賠償を受ける場合、将来にならなければ受け取れないはずの金銭を現在受け取ることになるため、その中間利息について被害者が過分に利益を受けていることとなります。
そこで、この中間利息分を控除する運用がなされておりました。
この中間利息は、民法所定の法定利息であり、2020年3月までは年5%の複利計算で、現在は年3%の複利計算で利息分が計算され、控除されます。
その結果、示談時ないし判決時に被害者が現実に受け取ることができる金額は、大幅に減額されるのが現状でした。
これでは被害者にとって十分な救済にならないのではないか、という声が多くあがっていました。
これに対して、定期金賠償方式の場合には、先取りして受け取るわけではなく、毎月あるいは毎年、分割で受け取るため、中間利息控除をされることがありませんので、被害者が手にできる金額は多くなります。
3 定期金賠償方式のデメリット
もっとも、それなら基本的に定期金賠償方式によるべきなのか?というと、そうとも言い切れません。
というのは、定期金賠償方式の場合には、加害者や加害者側保険会社から毎月あるいは毎年賠償金を受け取ることとなるため、加害者側との相手との関係が続くことになります。
また、加害者側に継続的に支払う能力がなくなる恐れもあります。
加害者が保険に加入していればその心配は少ないのかもしれませんが、保険会社であっても経営が破綻する可能性が0とは言い切れません。
また、将来、加害者側から被害者の症状が改善したなどと言われ、加害者側から減額請求などを受ける可能性も否定できません。
4 賠償金については弁護士への相談を
このように、一時金賠償方式か定期金賠償方式かは、一概にどちらがいいとは言えず、ケースごとに判断をしなければなりません。
交通事故で後遺障害が残った方は、弁護士法人心 京都法律事務所にご相談ください。
被害者に適切な賠償についてアドバイスをさせていただきます。
女子年少者の後遺障害逸失利益
1 後遺障害逸失利益における基礎収入
後遺障害逸失利益は、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間によって計算します。
上記のうち基礎収入は、原則として、将来得られるであろう相当程度の蓋然性のある収入額が証明される必要があります。
後遺障害逸失利益は、後遺障害の程度によっては長期にわたって発生することが多く、金額も高額になるため、基礎収入の金額によって、賠償金の金額が大きく変わります。
ここで、社会人であり収入がある場合は、事故当時の現実収入額が基礎収入額とされることが多く、あまり問題は生じません。
ところが、交通事故の被害者となった方が、義務教育を修了していない年少者の場合には、将来どのような学歴でどのような職業につき、どのくらいの期間就業し、どの程度の収入を得るかを判断する材料が少なく、予測をすることが困難です。
しかし、相当程度の蓋然性がある基礎収入額を立証できないからといって、逸失利益がないとすることは被害者や遺族を救済することができず、酷な結果となってしまいますし、仕事を一切しないと考えることとなり不合理でもあります。
そこで、基礎収入に賃金センサス等を用いて年少者の逸失利益を算定することが多いです。
2 賃金センサスの男女間の格差
賃金センサスには、男性労働者の賃金センサスと女性労働者の賃金センサスがあり、女性労働者の賃金センサスのほうが金額が低くなっております。
年少者の後遺障害逸失利益を請求する場合、このどちらの賃金センサスを用いるべきなのでしょうか。
年少者が男子の場合は男性労働者の賃金センサス、女子の場合は女性労働者の賃金センサスを用いることが素直な気もしますが、年少者の場合は将来どのような学歴やキャリアを経てどのような職種に就くのか不確定的な部分が多く、男性よりも多くの収入を稼ぐ女性もいます。
それにもかかわらず、一律女子年少者には女性賃金センサスを用いるべきとすることは不合理です。
そこで、現実的な男女の収入の格差と男女間の平等、将来的には男女間の格差の減少が見込まれること、被害者の事故当時の学歴なども加味して考える必要があります。
3 現在の状況
近時の裁判例等では、女子年少者の逸失利益における基礎収入は、男女別ではなく全労働者の平均賃金を用いることがスタンダードです。
被害者の収入の予測がつかない場合には、全労働者の平均賃金を参考にすることになります。
しかし、女子年少者についても、成長過程に応じて義務教育終了後であれば進学や就職等の進路も具体的に定まっておりどの程度の収入が得られるか予測がつきやすくなり、相応する女子の平均賃金を使う必要が出てくる場合もあります。
また、社会人であれば現実の収入が基礎収入となるのが原則ですが、収入の増減額が見込まれる個別の事情によっては、事情を踏まえた基礎収入が認定されることもあります。
4 後遺障害認定を受けた方は弁護士に相談してください
京都で後遺障害認定を受けた方は、弁護士法人心 京都法律事務所にご相談ください。
後遺障害認定を受けた場合には、逸失利益等により少しの違いで賠償金の額が大きく変わってくることがあります。
きちんと示談金チェックを受けて納得してから示談をしてください。
後遺障害申請の事前認定(加害者請求)と被害者請求の比較
1 準備・提出の段階
交通事故の被害者が治療を継続してきたものの、症状が慢性化して症状固定となってしまった場合には、後遺障害の申請が必要となります。
後遺障害の申請をするには、主治医の先生に後遺障害診断書を渡して記入してもらうことが必要です。
その他にも、後遺障害申請にあたり必要な書類が定められていますので、これを揃えて自賠責保険に提出する必要がります。
この手続きを加害者側(ほとんどの場合加害者側保険会社)が行う場合を加害者請求(事前認定)といいますが、事前認定で行う場合には、後遺障害診断書を相手の保険会社に渡せば、相手の保険会社が必要書類を集めて自賠責保険会社を通じて損害保険料率算出機構に書類が提出されます。
他方、後遺障害の申請手続を被害者が行う場合を被害者請求と言いますが、後遺障害申請を被害者請求で行う場合には、後遺障害診断書のほかに、必要な書類を自分で集め、後遺障害診断書とともに自賠責保険会社に提出する必要があります
被害者が自身で書類を収集、提出することができるので、必要書類以外の書類でも何か認定に役に立ちそうな書類や検査結果等の資料があれば、提出することができます。
後遺障害認定は、原則として書面審査ですので、認定に有利に働く書類等は積極的に集めて提出する必要があり、手足を失った等の誰が判断しても結論が変わらないようなケースであれば事前認定でも被害者請求でもどちらを選んでも良いかもしれませんが、判断が分かれそうなケースあれば、被害者請求を選ぶのが正解でしょう。
もっとも、被害者請求の場合は、認定に役に立ちそうな書類や検査結果等の資料があれば、自分で収集し、提出することができる反面、その手間がかかるというデメリットもあります。
この手間というものが、かなりの負担であることは間違いありません。
この被害者請求によるデメリットを解消するため、被害者請求を弁護士に依頼することが重要です。
2 認定結果の通知と保険金の支払いの段階
自賠責保険に後遺障害の申請が提出されると、自賠責保険会社から委託を受けた損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)は、提出された書類をもとに等級を認定するかどうかや、どの等級に該当するかを調査します。
必要があれば、被害者の同意を得て損害保険料率算出機構から主治医等へ医療照会をして不明確な点を更に調査することもあります。
調査が終わると、損害保険料率算出機構は、自賠責保険会社に調査結果を報告します。
自賠責保険会社は、損害保険料率算出機構の調査結果の報告をもとに等級を認定して書類を作成したり、自賠責保険からの保険金支払額を決定します。
事前認定の場合には、認定結果の書類等は相手保険会社に郵送されます。
一方、被害者請求の場合には、自賠責保険会社は、書類は被害者(弁護士が代理人になっているときには弁護士)に直接送付します。
また、被害者請求の場合、後遺障害が認定されると、自賠責保険から支払われる保険金が被害者に直接、ただちに支払われます。
急ぎで金銭が必要な場合には、被害者請求で後遺障害申請していた方が早期に支払いが受けられるというメリットがあります。
これに対し、事前認定の場合には、等級が認定されても金額はすぐには支払われません。
後述するように、加害者側と示談したときに、自賠責保険からの支払い分と自賠責保険を超えて任意保険会社が負担する分を含めて、示談金として支払われることとなります。
3 損害賠償の段階
事前認定の場合、相手保険会社は、自賠責保険会社が払うべき賠償金を含めた全損害を被害者に支払い、その後相手保険会社が自賠責保険の負担分につき自賠責保険会社から受け取ります。
被害者請求の場合でも、自賠責保険会社から支払われた金額は通常は被害者の損害には足りませんので、被害者請求の場合には支払われた自賠責保険の分を超える分につき、相手保険会社に対して請求します。
最終的には、事前認定でも被害者請求でも受取金額は変わらないことになるかもしれませんが、後遺障害が残っている場合には、症状固定後にも治療等が必要となりますので、被害者請求により損害の一部を早期に支払ってもらうことは重要になります。
京都で後遺障害申請を検討される方は、当法人にご依頼ください。
弁護士が被害者に代わって、きちんと後遺障害申請の被害者請求を行っております。
後遺障害認定とは
1 後遺障害等級
交通事故に遭い、治療を続けたにもかかわらず症状が残ってしまった場合、その症状が後遺障害として認定される場合があります。
後遺障害を認定するのは加害者側の自賠責保険です。
自賠責保険では、後遺障害等級が第1級から第14級までの等級に分かれて設けられています。
1級が最も重い等級で14級が最も軽い等級です。
各等級ごとに対象となる障害の内容、等級ごとの保険金額が定められています。
2 後遺障害認定手続の流れ
交通事故の被害者の症状が慢性化して症状固定となった場合、後遺障害の申請手続きは、主治医の先生に後遺障害診断書を作成してもらうことから始まります。
そして、後遺障害診断書だけではなく、さまざまな必要書類を揃えて自賠責保険に提出しなければなりません。
そして、後遺障害申請を保険会社に頼むことができますが(これを「事前認定」といいます)、事前認定で手続を行う場合は、後遺障害診断書を相手の保険会社に渡せば、相手の保険会社が必要書類を集めて自賠責保険会社を通じて損害保険料率算出機構に書類が提出されます。
従って、被害者の手間は非常に少なくて済むこととなります。
他方、後遺障害申請を自分で行うこともできます。
これを「被害者請求」といいます。
被害者請求で行う場合は、後遺障害診断書だけではなく、必要な書類を全て被害者側が集めなければなりませんので、時間的、労力的に被害者の負担が大きいです。
ただし、自分で書類を提出できるということは、必要書類以外の書類でも何か認定に役に立ちそうな書類や検査結果等の資料があれば、申請の際に一緒に提出することができます。
後遺障害認定は、原則として書面審査ですので、認定に有利に働く書類等は自分で積極的に集めて提出する必要がありますので、これを加害者側の保険会社に期待することは困難でしょう。
もっとも、被害者本人で有益な資料を収集することも困難なことが多いでしょうから、被害者請求を選択し、かつ、被害者請求手続きを弁護士に依頼することがもっとも有益です。
事前認定にしろ、被害者請求にしろ、必要書類を自賠責保険に提出し、後遺障害の申請をした後は、提出された書類をもとに、損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)が、等級を認定するかどうか、どの等級に該当するかを調査します。
3 後遺障害認定のメリット
交通事故でケガをされた方の後遺障害が認定されると、損害賠償の項目として、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益等が加わります。
一番下の等級である14級でも、過失がなければ裁判基準の後遺障害慰謝料110万程度を請求できる可能性があります。
また、後遺障害のため労働能力が低下したような場合は、将来発生するであろう減収分を後遺障害逸失利益として請求することができます。
更に、介護の必要があれば介護関係の費用が認められたりします。
被害者に一定以上の症状が残存した場合には、後遺障害認定を受けて適正な金額の賠償を受けないと、不利益を受けることになります。
4 適正な後遺障害認定を受けるために
後遺障害認定がされるかどうか、更には後遺障害が認定されるとしても何級が認定されるのかで、被害者の賠償に大きな差ができます。
適正な賠償を受けるためには、必要かつ十分な資料を揃え、後遺障害申請手続をする必要があります。
京都で後遺障害認定を検討されている方は、一度、弁護士法人心 京都法律事務所にご相談ください。
現実の減収がない場合にも後遺障害逸失利益
1 後遺障害逸失利益
後遺障害が残ると、体の痛みや可動域制限、機能制限によって労働能力が低下することが通常です。
そして、労働能力が低下すれば、将来の収入が減少する可能性が出てきます。
そこで、後遺障害が認定されると、原則として、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率に基づいて、将来の収入の減少分を賠償する「後遺障害逸失利益」が認められることが大半です。
後遺障害逸失利益の算定方法は、後遺障害等級、労働能力の低下の程度、仕事の内容、収入の変化、将来の昇進、転職、失業等の不利益を受ける可能性、日常生活上の不便等を考慮して、算定します。
2 現実の減収がない場合
上記のとおり、後遺障害逸失利益は、後遺障害に伴い、将来の収入の減少分を賠償するものです。
ここで問題となるのが、後遺障害が認定されたものの、事故後、後遺障害が認定された時点までに現実に収入が減少していない場合には、後遺障害逸失利益は認められるのでしょうか。
確かに、現実の減収がない以上は具体的な損失が発生しないのだから損害が発生せず、後遺障害逸失利益は発生しないとも考えられます。
しかし、現在の収入が減少していなくても労働能力を失っていることは事実ですし、現在の職場では理解を得られていたとしても転職などで不利になることも考えられます。
また、被害者が後遺障害による体の不自由があるにもかかわらず特別に努力をした結果、減収を免れたという場合までも、後遺障害逸失利益を認めないのでは、あまりにも不公平とも考えられそうです。
では、裁判所ではどのように考えているのでしょうか。
この点、裁判所の判例(最高裁昭和56年12月22日判決)は、交通事故による後遺障害のために身体的機能の一部を喪失した場合においても、後遺障害が比較的軽微であって、しかも被害者が従事する職業の性質からみて現在又は将来における収入の減少も認められないときは、「特段の事情」のない限り労働能力の一部喪失を理由とする財産上の損害は認められないとしています。
特段の事情がない限りは収入の減少が必要と考えていますが、特段の事情とはどのような事情でしょうか。
3 「経済的不利益を公認するに足りる特段の事情」
⑴ 本人の特別な努力
最高裁判所は、事故後から後遺障害認定時点において財産上現実に特段の不利益を蒙っているとは認めがたいにもかかわらず、事故後において財産上の損害があると考えて良い場合として、「たとえば、事故の前後を通じて収入に変更がないことが本人において労働能力の低下による収入の減少を回復すべく特別の努力をしているなど事故以外の要因に基づくものであって、かかる要因がなければ収入の減少をきたしているものと認められる場合」を挙げています。
例えば、減収を回復するため、あるいは減収を回避するため、本人が事故前には行っていなかったような特別な努力をしている場合には、それがなければ減収が発生してしまいます。
⑵ 勤務先の配慮
また、勤務先が被害者に軽い作業しか回さなない、休憩を本人のペースに応じて取得することを認めているなど、勤務先が特別な配慮をしてくれているような場合には、それがなければ減収が発生してしまいます。
職場がいつまでもこのような配慮してくれるとは限りませんし、転職をすれば転職先にまで配慮を求めることは難しくなり、収入の減少は現実化してしまいます。
このような場合には、現実の減収がなくても財産上の損害が発生したものとして、後遺障害逸失利益が認められます。
⑶ 職業の性質に照らして不利益を受ける可能性
また、前述の最高裁判所の判決は、「労働能力喪失の程度が軽微であっても、本人が現に従事し又は将来従事すべき職業の性質に照らし、特に昇給、昇任、転職等に際して不利益な取り扱いを受けるおそれがあるものと認められる場合」にも財産上の損害が発生したことを認めています。
職場が現時点では特別の配慮をしてくれており、給与面で特別のマイナスが生じていないとしても、より長期的な視点で考えると、昇級・昇任の面で遅れが生じることは避けられない場合もあるでしょう。
このような場合には、逸失利益が認められるべきだと判断されています。
4 弁護士にご相談ください
交通事故現実の収入が減少していない場合であっても、逸失利益を請求できる可能性がある以上、請求は試みるべきですが、には、相手保険会社と争いになれば特段の事情を具体的に主張立証する必要があります。
その場合、ご自身で特段の事情の主張立証を行うことは困難であるのが通常であり、プロである弁護士に任せたほうがよいでしょう。
京都で交通事故にあわれた方で後遺障害認定を受けた場合には、弁護士法人心 京都法律事務所にご相談ください。
現実の減収がない場合などでも、きちんとした主張立証を行うことで適正な逸失利益の賠償を目指します。
体幹骨の変形と逸失利益
1 後遺障害逸失利益
交通事故に遭い、後遺障害が残ると、通常は労働能力が低下して稼働能力が落ち、収入の減少や減少可能性が発生します。
これを損害賠償として反映する項目が後遺障害逸失利益であり、交通事故で後遺障害が残った場合には、後遺障害逸失利益が支払われます。
そして、後遺障害を認定する自賠責保険では、「後遺障害等級及び労働能力喪失率表」が定められており、後遺障害等級ごとに労働能力喪失率が定められております。
示談交渉や裁判では、基本的には上記労働能力喪失率表のとおり、各等級に応じた労働能力喪失率で後遺障害逸失利益が算定されるのですが、中には自賠責保険の労働能力喪失率表とは異なった労働能力喪失率で算定されるケースもあります。
交通事故で骨折をした後に肋骨等に変形が残存した場合は、労働能力喪失率が争われることが特に多いです。
すなわち、後遺障害が残っても、現実に労働能力や稼働能力に影響が出ていないので、将来的な不利益の可能性も認められないとされて、後遺障害逸失利益が認定されない場合や認定された等級よりも低い労働能力喪失率が認定される場合があります。
では、どのような場合に後遺障害逸失利益が認められなかったり、労働能力喪失率が通常と異なったりするのでしょうか。
2 その他の体幹骨の後遺障害
「鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨、または骨盤骨に著しい変形を残すもの」は、第12級5号として後遺障害等級が認定されます。
ここにいう「著しい変形」とは、裸体になったときに、変形や欠損が明らかに分かる程度のものに限定されています。
通常、後遺障害等級12級と認定された場合には、労働能力喪失率表上の労働能力喪失率は、14%とされています。
もっとも、上記の鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨、または骨盤骨(以下では、「体幹骨」といいます)の著しい変形としての後遺障害の場合、加害者ないし加害者保険会社から、労働能力喪失率表上の喪失率ほどは労働能力に支障がない、14級相当の5%程度の労働能力喪失率で足りる、期間が相当短縮した期間で足りる等の主張がなされることが多いです。
3 労働能力への影響の評価
過去の裁判例を見ると、体幹骨の変形障害の場合、労働能力喪失率表どおりの喪失率を認めた裁判例もありますが、実際の後遺障害の程度、労働への支障の度合いその他諸般の事情を考慮して、労働能力喪失率表よりも低い喪失率を認定した裁判例もあり、様々です。
加害者ないし加害者側の保険会社からは、体幹骨の変形による後遺障害の場合、労働能力喪失率についてかなり厳しい主張が出てきます。
そこで、体幹骨の変形障害後遺障害逸失利益を請求し、労働能力喪失率について適切な認定を受けるためには、現実の労働への影響を具体的に主張・立証していく必要があります。
4 弁護士へのご相談
体幹骨の変形で後遺障害認定がされた場合には、労働能力喪失率が争いになることも多いです。
適正な労働能力喪失率できちんとした損害賠償を受けるためには、ポイントを押さえた適切な主張立証が必要になります。
ですので、早めに交通事故を専門とする弁護士にご相談するのが望ましいです。
当法人は、体幹骨の変形後遺障害が認定されたケースについても、十分な取り扱いの実績がございます。
京都で12級5号の後遺障害認定を受けた方は、弁護士法人心 京都法律事務所にご相談ください。
きちんとした後遺障害逸失利益の金額が支払われるように、仕事に与える影響等を主張立証したうえで、弁護士が交渉いたします。
後遺障害申請をする場合の通常の流れ
1 後遺障害診断書の作成
主治医が、治療を継続しても治療効果が期待できなくなったと判断すると、「症状固定」になります。
これ以上治療しても効果が見込めない段階になっても重い症状が残っているのであれば、後遺障害申請をして、損害保険料率算出機構に審査してもらい、後遺障害の認定を受けることになります。
自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書という定型の書式を病院に持参して、主治医に必要な検査等をしてもらい、残存している症状や検査結果等を、後遺障害診断書等に記入してもらう必要があります。
後遺障害の内容によっては、医師や身内の方に更に別の書面を作ってもらう必要があることもあります。
通常、後遺障害診断書をその場で書いてくれることはありませんので、書式を預けて費用を払い、作成できたら取りに行くか郵送してもらうことが多いです。
後遺障害診断書の費用は、自由診療ですので、病院によって金額が異なります。
立て替える場合が多いですので、あらかじめ後遺障害診断書代の確認をしておいた方がよいでしょう。
2 資料の収集
後遺障害申請をするためには、病院の診断書や診療報酬明細書、接骨院の施術明細書などの治療関係の資料が必要になりますので、保険会社から取り寄せたり、場合によっては病院にお願いして作成してもらうことになります。
また、病院で撮ったレントゲンやMRI画像なども必要になりますので、病院や相手の保険会社から借りたり、写しを作ってもらったりします。
被害者側が自ら後遺障害申請をする場合には、必ず必要な資料や後遺障害認定に有利になりそうな資料を自分で集めます。
3 自賠責保険会社への提出
後遺障害申請に必要な書類等が揃ったら、事故の相手が加入していた自賠責保険の保険会社に書類等を送ります。
自賠責保険の保険会社は、通常、交通事故証明書に書かれていますので、相手が加入していた自賠責保険の保険会社や自賠責保険の証明書番号が分からなければ、交通事故証明書を取り寄せて調べることになります。
自賠責保険会社が、提出した書類について不足書類がないか等をチェックし、問題がなければ損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所に送られます。
4 調査事務所への提出と審査
自賠責保険会社から損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所に送られた資料をもとに、調査事務所で損害調査が行われます。
必要があれば、調査事務所から追加資料を求められたり、調査事務所自体が被害者の同意書をとって、直接、医療機関に医療照会をしたりもします。
調査事務所が必要と判断した資料は、調査事務所が費用を負担して取り寄せをしますが、必要と判断されなければ提出した資料だけで判断しますので、有利になりそうな書類は申請の際に提出しておく方が安心です。
必要な調査が終われば、調査事務所から自賠責保険会社へ結果が送付されます。
5 調査結果の被害者への連絡
自賠責保険会社は、調査結果をもとにして書面を作成し、被害者請求をした場合には被害者の代理人又は代理人がいないときは被害者本人に結果を送ります。
6 後遺障害申請は当法人にお任せください
後遺障害申請は、以上のように進んでいきます。
後遺障害申請や認定には時間や手間がかかりますが、後遺障害が認定されれば傷害部分とは別に後遺障害部分の損害賠償を受けることができるようになるため、非常に重要な手続です。
京都で後遺障害申請をする場合には、当法人にお任せください。
弁護士に依頼することで、後遺障害申請がスムーズに行え、適正な等級認定が受けられるようにきちんとしたサポートを受けることができます。
後遺障害等級と労働能力喪失率
1 後遺障害等級
自賠責保険では、後遺障害をある一定の身体・精神機能の障害に限定し、その中で一定の分類方式で障害の程度の評価を行い、その内容の身体・精神機能の障害が残存した場合に、保険金支払いの対象としつつ、障害の程度(後遺障害等級)に応じて保険金が支払われる限度額(保険金額)が決定されるような制度になっています。
後遺障害等級は、自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」)施行令によって定められており、第1級から第14級までの等級に分かれています。
1級が最も重い等級で、14級が最も軽い等級になります。
2 労働能力喪失率
後遺障害は、一般的には症状が将来においても回復せずに残存することを前提としており、それにより、労働能力が低下することが予定されています。
この労働能力がどれだけ低下するのかを表したのが労働能力喪失率です。
自賠法施行令別表第1には、後遺障害等級第1級と第2級が定められており、どちらも労働能力喪失率は100%となっています。
この等級に認定される被害者は、原則として労働能力を失って働くことができない重い症状が将来も続くと判断されているため、事故にあわなければ将来得られたであろう収入の100%を原則として補償する必要があると考えられています。
自賠法施行令別表第2には、第1級から第14級までの後遺障害等級が定められています。
自賠法施行令別表第2の後遺障害等級第1級から第3級も労働能力喪失率は100%です。
第4級は92%、第5級は79%と、自賠法上は等級により労働能力喪失率を定めています。
一番下の等級である第14級でも労働能力喪失率は5%であり、事故のケガによる症状が残存した場合、労働能力が5%低下するほどの症状と判断されなければ、自賠責保険上の後遺障害と認定されないことになります。
また、特に痛みや痺れなどの神経症状は、他覚所見がなく自覚症状が判定の基礎となりがちです。
通院や投薬などで症状を裏付けるような実績等がない場合には、実際は重篤な症状であっても後遺障害と認定されないケースがあるため注意が必要です。
3 損害賠償請求と労働能力喪失率
自賠責保険では、ある程度平等に判断するため定型的に判断している面もありますが、裁判所では自賠責保険の労働能力喪失率を参考にしつつも、総合的に判断されるため、自賠責保険とは違った労働能力喪失率で認定される場合もあります。
自賠責保険で認定されている後遺障害等級の労働能力喪失率よりも高い労働能力喪失率が認定されたり、逆に低い労働能力喪失率が認定されたりすることもあります。
また、自賠責保険にはないような5%よりも低い労働能力喪失率で認定された裁判例もあります。
被害者の職業や年齢、性別、後遺障害の残存する部位、程度、事故前後の実際の稼働状況等を総合考慮して具体的に当てはめて評価するため、適正な労働能力喪失率を認定されるためには、きちんと立証することが重要です。
保険会社との交渉や裁判においても、労働能力喪失率を十分に理解した上で対応することが求められます。
4 弁護士にご相談ください
後遺障害が残った場合の損害賠償請求では、労働能力喪失率に詳しくないと、適切な対応をすることは難しいかと思います。
後遺障害案件を得意とする弁護士が相談にのらせていただきますので、京都で交通事故の後遺障害等級認定を受けた方は、当法人にご相談ください。
適正な評価と主張を行うことで、きちんと適切な損害賠償を受けられるように尽力いたします。