後遺障害に関する弁護士費用
1 後遺障害とは
⑴ 後遺症と後遺障害の違い
交通事故に遭ってお怪我をされ,治療を続けたけれども完治せずに痛みや症状が後遺症として残ってしまった場合,自賠責へ申請することでその症状が後遺障害として認定される可能性があります。
「後遺症が残っているのに,後遺障害として認定されない可能性があるのか?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが,後遺障害は自賠責が定めた基準に当てはまっていなければ認定されません。
例えば,交通事故で後ろから追突された場合,いわゆるむち打ち症(頸椎捻挫など)になってしまうことがありますが,痛みが残っているにもかかわらず,後遺障害申請をしても非該当とされてしまう方は非常にたくさんいらっしゃるのです。
⑵ 後遺障害が認定される場合とされない場合の違い
では,後遺障害が認定される場合とされない場合の違いはどこにあるのでしょうか。
交通事故の態様やお怪我は人それぞれですので,一概にその違いを述べることはできませんが,病院を受診する際に主治医の先生にどのようにご自身の症状を伝えていたか,どの程度の頻度で通院していたか,病院でどのような検査を受けていたかといった点が,後に大きな意味を持つことがあります。
ところが,相手方保険会社の担当者は,後遺障害申請において上記の点が重要となることや,それを踏まえてどのような対応をしたらよいかといったことは一切教えてくれません。
そのため,何も知らずにただ通院していた方と,これらのアドバイスを交通事故に詳しい弁護士から受けて通院していた方を比較すると,前者の方は後遺障害の認定において思わぬ不利益を被ってしまう可能性があるのです。
2 後遺障害が認定された場合とされなかった場合の賠償額の差
後遺障害が認定された場合とされなかった場合とでは,賠償金の額に大きな差が出ます。
たとえば,むち打ちで8か月通院して症状固定となり,後遺障害を申請して14級が認定された人(事故前年度年収500万円)と,14級が認定されず非該当になった人で,それ以外の条件は全く同じである場合,受け取ることのできる賠償金に,218万2375円ほどの違いが出ることがあります。
(後遺障害慰謝料が110万円,後遺障害逸失利益が500万円×5%×4.3295=108万2375円,合計218万2375円)
3 後遺障害に関する弁護士費用
このように,交通事故直後からしっかり弁護士のアドバイスを受けて通院していた方とそうでない方との間には,後遺障害の認定及び最終的に受け取れる賠償金の点で大きな違いが出る可能性があります。
もっとも,弁護士に依頼する場合は弁護士費用が心配という方も多くいらっしゃることと思います。
自動車保険には,特約として「弁護士費用特約」というものがあり,その特約に加入していれば,一定額(多くの会社で,弁護士費用を上限300万円まで保障という内容になっていますが,詳しくはご加入の保険会社にご確認ください。)につき保険会社が負担してくれる場合があります。
この場合は,弁護士費用の心配をすることなく,弁護士のアドバイスを受けたり,交渉を依頼したりすることができます。
一方で弁護士費用特約に入っていなくても,弁護士事務所によっては無料で相談に乗る事務所もありますし,被害者の方に過度の負担にならないような報酬体系を採用している事務所もあります。
4 後遺障害に関するご相談は弁護士法人心へ
弁護士法人心では,交通事故を集中的に扱う弁護士が多数在籍しているうえに,自賠責調査事務所にて後遺障害の認定に携わっていた職員もおり,後遺障害として適切に認定してもらうためにはどうすればよいかについての適切なアドバイスやサポートを行うことが可能です。
また,交通事故の相談に関して,弁護士費用特約をご利用いただくことができますし,弁護士費用特約がない場合でも,お気軽にご相談いただけるよう相談料を無料とさせていただいております。
後遺障害に関してご不安に思われている方は,弁護士法人心へご相談ください。
後遺障害申請に必要な書類の費用
1 後遺障害診断書の費用
後遺障害申請を行うためには,病院で,症状固定時点の怪我の症状について「後遺障害診断書」という専用の診断書を書いてもらう必要があります。
この「後遺障害診断書」の作成に,どのくらいの費用が必要となるかについては,各病院で料金設定が異なります。
多くの病院では,5000円から1万円程度の料金を求めていることが多いように思います。
また,交通事故で複数の部位を怪我したために,複数の病院で専門的に地領を受けていたような場合には,「後遺障害診断書」を何通作成するのかという問題も検討が必要です。
例えば,交通事故で脳外傷と手足の骨折と鼓膜と耳骨の損傷を負い,①高次脳機能障害についてA病衣の脳神経外科,②手足の痛みと可動域制限についてB病院の整形外科,③両耳の難聴等についてC病院の耳鼻科にかかっていたというような場合には,3つの病院すべてで,それぞれの症状について「後遺障害診断書」の作成を依頼することとなります。
その場合には,各病院で診断書の作成料金を支払うこととなります。
2 診断書,診療報酬明細書等の費用
その他,後遺障害申請には,事故から症状固定までの治療経過のわかる記録をつけなければなりません。通常は,相手方保険会社から診断書及び診療報酬明細書を取り寄せれば,資料がそろいます。
もっとも,事案によっては病院から診療録を取付けて提出することもあります。この時には,別途カルテの開示手数料が必要となります。この手数料についても病院ごとに区々ですし,入院の有無や治療期間の長さによっても,開示対象となる診療録の文量が異なるため,料金も変わってきます。診療録の開示手数料については,多くの事例では,数千円から数万円程度の範囲に収まっているように思います。
3 画像資料に関する費用
その他,レントゲンやMRIの画像資料を後遺障害申請の際の添付資料とすることもありますが,これらの画像資料を取り付けるために必要な費用も病院ごとに,区々です。
画像の量にもよりますが,概ね一件あたり数千円程度の費用がかかることが多いといえます。